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会からのお知らせ 柔道整復療養費不正(架空)請求事件について-お詫びと反省-

平成27年11月16日

各 位

社団JB日本接骨師会

会長 五十嵐 仁

会長代行 早津 泰治

副会長 伊集院 克

副会長 諸星 眞一

役員一同

反社会的組織(勢力)に利用された柔道整復療養費不正(架空)請求事件の原因究明と再発防止について-お詫びと反省-

平成27年11月6日新聞・テレビ等で「診療報酬並びに柔道整復療養費が反社会的勢力によって架空請求され、その額が1億円以上に及び、反社会的勢力の資金源の一つになっている」という巨悪の事件が報道、論評されました。近年社会・経済活動から反社会的勢力を放逐する運動を至る所で行っております。私達、柔道整復師業界もこのような社会の動きに連動して反社会的勢力と一線を画してまいりました。しかし、上記報道によりますと反社会的勢力が柔道整復師業界のみならず、社会的信用の高い医療界にも及んでいた事に驚きを禁じ得ません。今日の社会は暴力を嫌い、反社会的勢力の撲滅の為、その活動拠点の押さえ込み、資金源の枯渇等に努めています。

私達は、数年にわたって、柔道整復師のみならず柔道整復師業界団体ないし、それに関連する団体の資質等の向上に向けて各種の活動に取り組んでおります。特に今回、問題となりました柔道整復療養費についての制度改革を通じて、施術力のある柔道整復師が大切にされる仕組作りの運動を行っております。しかしながら、療養費請求問題に関係して、このような不祥事(詐欺刑事事件)が発生した事は誠に残念でなりません。私達のこれまでの運動が一人ひとりの柔道整復師に行き届いていなかった事に失望感と強い反省をしております。また、柔道整復療養費請求は後述の通り、一般の療養費と比べて柔道整復師に対する信頼を基礎に置いております。

今回の事件は反社会的勢力によって、これが悪用されたものでありますが、それに数名の柔道整復師が関わりあっていたという事で業界の責任でもあります。私達は、業界団体の一つでありますが、業界を代表して深くお詫びを申し上げます。誠に申し訳ございません。再発防止の為にその原因の究明と再発防止の為の方策に全力をあげて取り組む所存であります。療養費は保険による診療を受けられなかった被保険者(=患者さん)が柔道整復師の徒手整復術を受けた場合、支払った施術料に領収書をつけて保険者に請求します。保険者はその請求に基づいて施術料の全部又は一部を療養費として被保険者に償還するものであります。柔道整復療養費はその療養費の請求と受領を施術を行った柔道整復師が患者さんに代って行って、これを直接受領する事ができるという手続きとなっています。これは今までの歴史的事情等から柔道整復施術に限って特例的に認められてきました。この手続きによって、患者さんは保険証を示して、保険治療と同じように施術料金の一部を支払うのみで徒手整復施術を受けられるようになります。したがって、この手続きは被保険者の為のものでありますが、施術を受診しやすい事から柔道整復師の収入も安定的になるという面もあります。この手続きは柔道整復師が自ら行った施術を保険者に申告するという自己申告によって行われるものであります。したがって、それは柔道整復師に対する信用が前提となっているものであります。

今回の不祥事は柔道整復師に与えられた信用を悪用したものでありますから、それは柔道整復療養費受領委任手続きの根底を破壊する事になります。私達は、これが社会的に支持される為には柔道整復師の個人的な心構えのみでは足らず、これに制度的な枠組みを設ける事が必要であり、その一つとして、事前の教育の充実と事後の実効性のある審査手続きの確立が必要であると訴えてきました。大方の保険者ないし柔道整復師の賛同を得つつありますが、これを実行するに至らないうちに今回の不祥事の発生となりました。私達は、今後も柔道整復療養費の施術を行う事を希望する柔道整復師に事前に強制的に療養費施術に関する研修(教育)を徹底し、且つ、事後的に療養費の審査について踏み込んだ調査を行う体制を作る事の必要性を訴えていく事になります。ところで、私達はかかる不祥事の再発の危険を強調するあまり、この手続き自体のもっている前述の長所まで摘んでしまう考えには賛成できません。それは池魚の殃(ちぎょのわざわい)に陥るからであります。

幸い、この問題に接して、患者さんの中の数名の有志の方々から反社会的勢力に利用・汚染された原因の究明と再発防止の呼びかけの運動が報われております。私達はこの呼びかけに呼応して、業界人の立場から業界の浄化に努め、信頼をつなげたいと考えております。皆様方のこれまで以上の御理解と御助言をお願い申し上げます。業界人・業界団体はこの問題は柔道整復師の品格が問われ、また柔道整復師の環境の劣化によるものである事を思いいたし、それを自分のこととして受け止め、それぞれの業界団体が共通の認識のもとに連帯してこれに対峙し、速やかな解決に向けた活動をしなければならないと考えています。私達は、患者の有志の方々の運動に積極的に参加して多角的な視点に立つ改革の果実をものにすることに邁進する事をお誓いし、反省とお詫びの気持ちを公にする事に致しました。

以上

 

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