そもそも「フットケア」とは何でしょう? 人によりイメージは様々です。ある場合は ウオの目やタコ取りといった足のケアであったり、ある場合にはミズムシや踵の角質を防止するなんらかの手段であったり、または外反母趾の痛みを楽にするための措置であったりします。誤解のなきよういいますが、これらもれっきとした「フットケア」に間違いありません。
では・・・、今般 JBが開始する「フットケア」というのもこれらと同じなのか?というならば 内容は少々異なるのであります。
皆様は「ポダイアトリ」もしくは「ポダイアトリック」というキーワードを聞いたことがあるでしょうか?訳するなら「足病医」「足病医学」という意味です。日本では殆どといって良いほど知られていない言葉だと思いますが、西欧の事情に詳しい人の情報によれば、西欧ではごく一般に浸透した職業であり学問の名称です。

ポダイアトリ または ポダイアトリック は、主に米国・カナダ・豪州で盛んに展開するそうで、各国により細かな事情や環境は異なるといいますが、平たく言えば『足専門のお医者さん』といった風に社会で親しまれ利用されています。医師という正式な資格とは異なりますが、X線も使用し、ときにはオペも下すそうです。
今まで日本において あまりその名前を聞かなかった背景は、生活習慣とその文化的背景のためだと言われています。日本人が今のように「クツ」というものを日常生活に取り入れたのは、文明開化の明治以後、どんな地方でも老若を問わずということになると、昭和の時代に入ってからよおやっと「クツ」の文化が日本にはじまった と言えます。一方 西欧では、歴史的な背景もあり、「クツ」というものが是非とも必要となり取り入れた歴史としての長さが違います。また、文化的生活習慣の相違により、たとえば日本人が自宅に帰りますと、ほぼ100%の人が玄関で「クツ」を脱ぎ、再度出かけるまで「クツ」からは解放されている生活スタイルなのに対して、西欧では家の広さに関係なく、「クツ」を脱ぐのは自分のベッドの上かフロに入る時ダケ というのが一般的です。つまり 人間が「クツ」と共に過ごす時間が西欧は日本に比較してとても長いというわけで、そうなると「クツ」に求められる機能というのも、単に路上で足を守ってくれるものならばいいや という単純なものだけではなくなってくるのは当然です。
そして 当初は「楽なクツ」という概念から次第に、「機能的にも優れて 現在の体調と障害を調整し、将来の健康をサポートしてくれる機能も付帯される」ものへとニーズによりどんどん進化を続け、現在の「ポダイアトリ」また「ポダイアトリック」があるのです。これは単に職種があるゆえに派生したものでなく、人間の機能構造とその働きを科学としてとらえ、研究を重ねてきた学問である《バイオメカニクス》と連動し 現在の西欧では双方が影響しあう形で研究が発展しています。

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